「日本人」の境界―沖縄・アイヌ・台湾・朝鮮 植民地支配から復帰運動まで
本, 小熊 英二
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「日本人」の境界―沖縄・アイヌ・台湾・朝鮮 植民地支配から復帰運動まで epubダウンロード - 内容(「BOOK」データベースより) 話題作『単一民族神話の起源』から三年。琉球処分より台湾・朝鮮統治をヘて沖縄復帰まで、近代日本の100年にわたる「植民地」政策の言説をつぶさに検証し、「日本人」の境界とその揺らぎを探究する。 内容(「MARC」データベースより) 「単一民族神話の起源」の著者が、琉球処分より台湾・朝鮮統治を経て沖縄復帰まで、近代日本の100年にわたる「植民地」政策の言説をつぶさに検証。「日本人」の境界とその揺らぎを探究する。
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著者によれば、明治期の為政者は欧米列強によるアジア植民地化の動きに大きな危機感を持ち、できるだけ遠方に国境線を引いて国防拠点を確保しようと、北海道開拓と琉球処分を直ちに行った。また国防の観点からみて当時のアイヌや沖縄人の忠誠心は疑わしく、有事の守りにならないとされたから、北海道へは政策的に多くの植民者が送り込まれ、沖縄では学校教育によって、国家への忠誠心の育成が図られたという。また当初から、コスト論に基づいて本土住民以外を「日本人」から排除する間接統治路線と、国防を重視して包摂する同化路線が対立していたが、結果的には国防を最優先したことから同化路線が主流になっていく。但し、この同化路線はあくまでも方針であり現実的政策ではなく、将来の同化と当面の分離、国境内への包摂と国内的な排除が、最終目標と一時的便宜として同居する欺瞞的なもので、こうした方針が台湾・朝鮮にも適用されていく。著者はその要因として、当時の日本が欧米との関係では差別される側だが、隣接する周辺地域との関係では差別する側という両義性を帯びた「有色の帝国」だったことを指摘する。そして現在も、強者への憧れと対抗心の間で揺れ動きながら、自覚を欠いたまま弱者への支配を行う「有色の帝国」による侵略は、中国のチベット統治やインドネシアの東チモール併合など枚挙にいとまがないと付け加える。著者が1970年代以降に唱えられるようになった多文化主義の立場から、当時の政府の同化主義的政策を批判するのは少しずるい。しかし、ナショナリズムによる紛争や侵略が頻発する現在、近代日本のナショナリズムの負の側面を批判的に検証することこそ、国民国家システムの成果と限界を知り、紛争に対処する上で重要だ。その意味で日本と周辺諸国との軋轢の原因を探るのでなく単純に日本人のナショナリズムに訴えがちな最近のメディアの風潮は、著者も言うとおり歴史に学ばない愚行だと思う。
de 小熊 英二
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